特撮ドラマというと、年齢的なこともあるのでしょうが、まっさきに思い浮かぶのは、子供のときテレビで見ていた、怪獣や宇宙人のヒーローものの特撮ドラマですね。当時、女の子たちも夢中になってみていたと思います。そのシリーズというと、有名な国内のプロダクションものが何と言っても面白かったです。幼稚園のとき初めてみたのが、そのプロダクションの特撮ドラマでもわりと初期のもので、再放送であったと思うのですが、普通の小学生のある男の子がお金が大好きで、お金ばかり集めているうちに、お金を食べる怪獣になってしまったというものです。
細かいストーリまでは覚えていないのですが、ラストの方で、その子のお母さんまでその怪獣になってしまうという場面があって、小さかった私はとても強い衝撃を受けました。衝撃というのは決して悪い意味ではなくて、良い絵本をめくっていて、思わぬすてきな場面が現れたときに感じた種類の衝撃でした。ああしたものをごく小さいときに見た世代は、やはりそれまでの世代とは、イマジネーションの種類が少し違ったふうに成長していくのかなと思います。豊かであるとかそういった比較ではなく、単純に種類の少し違う、SF的な発想を含むイマジネーションを持つようになった最初の世代じゃないかと思います。
あと、そのプロダクションの特撮ドラマの怪獣達は、どれもデザインが優れていましたね。現実にはいない形態ではあるのに、どこか親しみを感じる、怖い怪獣であっても可愛いものばかりでした。ずっと後の時代になって、ハリウッドのSF映画で、現実の生き物からは発想できないような特異な形態の宇宙人の出てくるものが大ヒットし、その宇宙人が可愛いという声も多くあがりました。ですが、日本の古き良き怪獣特撮ドラマで育った世代としては、発想が突飛というだけのグロテスクなものに感じ、ああした妄想の世界の中でのみ形作られた様な形態を子供たちに見せるということに、その映画のほのぼのしたストーリーに反して、抵抗を感じざるをえませんでした。